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COLUMN
メタリックケーブルの構造

xDSLは既存の電話回線を使って通信を行います。それでは電話回線はどのような構造になっているのでしょうか? 
多くの加入者線には通常銅線を使ったメタリックケーブルが使われています。通信はデータを電気信号に変えて送るため、高価な銀に次いで電気を通しやすい銅が使われるようになったのです。
下図のような2本の銅線をより合わせたツイストペアケーブル(より対線ケーブル)が一般的です。

ツイストペアケーブル

ツイストペアケーブルは外部からのノイズが入りやすく、周波数の高い信号は伝送しにくくなっています。なぜより合わせるのかというと、2本の線に平均にノイズが入るようにすることで中を流れる電気信号への影響を少なくするためです。さらにその周りを塩化ビニールなどで保護します。

メタリックケーブルでは他に、高周波の信号を伝送するためにCATVなどが使っているケーブルもあります。銅線を絶縁/緩衝材で被い、さらに銅線の網によるシールド層を施し、その周りを塩化ビニールなどで覆います。外部の雑音が入らず、内部の信号が漏れない構造になっているのでより高周波の伝送を行うことが可能です。銅線でできた導体のまわりを筒状の導体で覆い、同じ軸を二つの導体が共有していることから同軸ケーブルと呼ばれています。

通常の加入者線はこのように同軸ケーブルや光ファイバケーブルと比べると、ノイズが入りやすく、高速な伝送には向かないケーブルを使っていますが、そのかわりコストも安く、取り扱いも簡単なので導入しやすいといえるでしょう。
最近ではメタリックケーブルから光ファイバに主役が変わりつつあります。

 

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■xDSLとは?
集合住宅でブロードバンドを導入する際、真っ先に考えられるのがADSLです。集合住宅の設備に特に変更を加える必要がないので、管理組合や大家の許可が必要ないためです。

DSLとはDigital Subscriber Line、すなわちデジタル加入者回線を使った通信技術を指します。xDSLとも表記され、特別なケーブルは必要なく既存の電話回線で通信を行います。もっとも有名なのが上下(送信側と受信側)の速度が違うAsymmetric DSL(非対称型DSL)で、一般にADSLと言われるサービスです。xDSLには国際電気通信連合電気通信標準化部門(ITU-T)によってGシリーズといわれる規格が勧告されます。

■従来の主なxDSLの種類

DSL名
規格名
付加規格
仕様
特徴
ADSL
G992.1(G.dmt)
AnnexA
北米仕様。Yahoo!BBがこのタイプ。
伝送距離は約5.5km。
下り〜8Mbps/上り〜1Mbps。

DMT方式のフル規格。速度が速い分、距離による減退が大きく、約3kmを越えるとG992.2(G.lite)とほぼ同じ速度になると言われる。
AnnexC
日本仕様。ISDNへの干渉を押さえる。アッカやイーアクセスがこのタイプ。
G992.2(G.lite)
AnnexA
北米仕様。
伝送距離は約5.5km。
下り〜1.5Mbps/上り〜512Kbps。

liteという名の通り、G992.1(G.dmt)の簡易版。
AnnexC
日本仕様。ISDNへの干渉を押さえる。NTT、アッカやイーアクセスがこのタイプ。
VDSL
G993.1(G.vdsl.f)
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NTTなど多くの業者が集合住宅内で採用。独自規格の製品も多い。

伝送距離は約1.5km。
距離との関係で速度は各社様々。現在は下り最大50Mbpsだが、100Mbpsの製品も発表されている。

高速なかわりに伝送距離が短いのでマンション等の構内に使われることが多い。

HDSL
G991.1(G.hdsl)
-
2対以上の銅線を使用する。
伝送距離は約3.6km。
上下対称型で速度は1.5Mbps程度。
基本的にデータ転送を目的としており、電話サービスとの共用はできない。
SDSL
G992.1
AnnexH
日本仕様。ISDNとの干渉を押さえる。G992.1の対称版で、アッカや東めたなどがこのタイプのサービスを提供。SSDSLとも呼ばれる。

伝送距離は約3〜7km。
上下対称型で速度は2Mbps程度。
基本的にデータ転送を目的としているが、電話サービスと共用する方式もある。
世界標準のSHDSLと違い、AnnexHはADSLと同じ変調方式を採用している。ISDNに対する干渉は押さえているが他のxDSLとの干渉が出る可能性がある。

G991.2(G.shdsl)
-
HDSLで使う銅線を一対にしたもの。SHDSLとも呼ばれる。

※Annex(付属書という意味)。ADSLモデムはG992.1やG992.2とAnnexを組み合わせた仕様になる。AnnexAは北米で広く使われていたため、コストが安いということでYahooBB!に使われた経緯がある。AnnexAとCがあるならBもあるはず。実はAnnexBは欧州仕様。AnnexCと同じくISDNとの干渉を押さえるが日本では一般的ではない。

(1) 10Mbps超ADSLの場合
2002年になってから、各事業者が10Mbps超という高速ADSLサービスを開始しました。
これまでのADSLのサービスと違うところは、従来の規格にオプション技術を追加することで速度アップを測っているというところです。私たちが特に興味があるのは次の2点、すなわち「速度の向上」と「伝送距離の向上」でしょう。

■S=1/2
従来の方式はS=1で、これはデータ伝送の際のエラーを訂正するための技術で、S=1/2では、そのエラー訂正の符号を半分に減らし、減った分を速度向上にまわそうというものです。
エラー訂正を犠牲にして速度向上をはかるため、この技術はエラー訂正があまり必要のない回線状況の良いエリアでのみ有効となります。すなわち現時点であまり速度が出ていないユーザーには効果はないとみられます。アッカ・ネットワークス、イーアクセス、Yahoo! BB、NTTなどほとんどのサービスでこの技術を組み込んでいます。

■アッカ・ネットワークス採用の「C.x」とエコーキャンセラ
従来は上りと下りの周波数帯域を分けて伝送していたのに対して、信号を重ねて伝送し、速度向上をはかります。下図を見るとわかるように、周波数帯域が広がれば速度が増すため、上りに下りの帯域を広げることで高速化がはかれます。一般に周波数の低い帯域は距離による影響が受けにくいので上り帯域に下りをオーバーラップさせることで伝送距離を伸ばすことができます。
エコーキャンセラとは、下りの信号から自分の送信した上り信号を取り除き、同じ帯域を使った上りと下りを分離させる方法です。「C.x」はAnnex Cにこの技術でオーバーラップを処理しています。
うまく分離できなければ上りや他のADSLサービスに影響が出る可能性もありますが、この米グローブスパンの技術を採用したアッカのサービスはすべての回線で速度アップが期待できます。

オーバーラップ

■イー・アクセス採用のeXtremeDSL
エコーキャンセラによる分離でオーバーラップを処理する「C.x」に対して、上りと下りの信号をタイミングをずらす時分割多重を行うことでオーバーラップを実現しているのが米センティリアムのeXtremeDSLです。自己干渉の心配がなく、また回線の状態が良ければモデムがオーバーラップを行わないようにしています。イー・アクセスではこの技術の他に、電気信号をアナログ/デジタル変換するときの精度を上げ、各チャネルの伝送ビット数を従来の12ビットから15ビット近くまで改良し速度を向上させ、さらに新しいエラー訂正符号としてTrellis符号を採用することで品質を向上させるなど、いくつかの技術を組み合わせることで高速/長距離化を実現しています。

■Yahoo! BB採用のAnnex AとリーチDSL
Yahoo! BBが長距離ユーザー向けに採用し注目をあびたのが米パラダイン社のリーチDSLです。この技術は従来の上りの帯域より低い帯域を使用することで長距離化を実現しています。この反面、近距離でも速度があまり出ないため、あくまで長距離用として利用されています。そこでYahoo! BBではAnnex AにエコーキャンセラとS=1/2を組み合わせたAnnex A(旧称Annex A.ex)を12Mbpsサービスとして開始、従来のAnnex AとISDN干渉に強いAnnex Cを自動的に切り替わるモデムを採用しています。

(2) 24Mbps超ADSLの場合
基本的な考え方は今まで説明した技術の応用です。24Mbps超ADSLではエラー訂正をS=1/4に、アッカやYahoo!BBではオーバーラップとエコーキャンセラを使用します。
大きく変わるのは速度を上げるために周波数帯域が拡がることです。24Mbps超ADSLでは1.1MHzから2.2MHz(ダブルスペクトラム)になります。Yahoo!BBでは現在使用しているAnnex Aの高速版ADSL+(G992.5 Annex A)を、NTT、アッカ、イーアクセスはAnnex Cの高速版ともいえるG992.1 Annex Iを使用します。アマチュア無線による干渉が懸念される帯域は出力を下げることで解決しています。

(3) 50Mbps超ADSLの場合
50MbpsADSLでは3.75MHz(4倍を意味するクアッドスペクトラム)になります。センティリアム社ではADSLで下り最大50Mbpsを実現するeXtremeDSL MAX技術を発表しました。伝送ビット数を15ビットから17ビットにする(ハイビットローディング)などいくつかの技術を併用し、収容局から1.4Kmでも12Mbpsの速度が得られます。2003年末か2004年早々にはサービスが開始されるだろうと言われています。

ただし、いずれの場合も高速の恩恵を受けるのは近距離ユーザーで、上りは低速(eXtremeDSL MAX技術でも最大で3Mbps)という点は変わりないようです。

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